私はゼネコン出身です。当時は様々な建物で現場管理として設備の施工に関する業務を行っていたのですが、お客様側の要望に合致した使い勝手の良い設備を自らの設計にて反映させたいという想いがあり、設計部分に携わりたいと考え当社に入社しましたね。
私は前職にて物流施設に特化した上場リートの資産運用会社での運用資産の管理部署に所属していました。入社のきっかけとしては、もっと進化する物流施設の開発に関わりたいと考えたことですね。
入社は平さんと一緒のタイミングでしたよね。以前は設備を中心に施設の設計・施工業務を一括で受けるようなエンジニアリング会社で勤務しており、定年を迎えて当社のリアルパートナーズとして入社しました。過去の経験を活かし、一技術者として主に設備関連の仕事を担当しています。
対象が倉庫だけとなると保管するイメージが強いので狭まるように思えるかもしれませんが、倉庫といってもマルチテナント倉庫があったり冷凍冷蔵倉庫があったり、施設内のフレキシブルなリーシングエリア対応や用途も様々ですから、それぞれ非常に奥が深いですよ。
最近の大きな倉庫は、用途によっては全館空調も当たり前だったりしますからね。マルチテナントの場合、設備は貸し方のパターンを想定して電力の割り振りやセキュリティ等どう汎用性を高めるか等、考えないといけないところが結構ありますよ。平さんは延床何万坪という大規模物流センターを担当しているので、どこを注視すべきかノウハウをよくご存じですよね。
最初に考えておかないと後工事が増えてしまいますからね。
そうですよね。それに最新の物流施設においてはマテハン機器(※1)が倉庫中を走り回り、出荷までが全て自動というところまで発展していますよね。
今多いのはプロセスセンターのように工場を併設したものや、温度管理(3温度帯)が必要なものが多くなり、倉庫の従来の定義から変わってきていますよね。将来的にはもっと複合的な形態になって、設備はもっと面白くなるんじゃないかな。生産性を考えてどう差別化するか、どうシステム化するか、となれば、ますます設備は重要になってくると思いますね。
※1 マテハン機器…マテリアル・ハンドリング機器。モノの移動や運搬を効率的に行う専用機械のこと。省人・省力化につながる。
我々の立場には設計監理と、PJM(プロジェクトマネジメント)と2つあるんですね。設計監理の場合、設計監理者が技術力と経験値を駆使して、お客様にとって使いやすいかどうかを検討・提案することができるという醍醐味がありますよね。
それはね、当社が施工の請負をメインとした会社ではないことが大きいですよね。当社は設計や建築、リーシング、PM、どこまでいってもお客様の横に寄り添い代行する立場ですからね。逆に言えば、うまくいかなかったときには当社に跳ね返ってきますから、大きな責任がある立場ですね。
PJMの場合は他社が設計監理を行いますが、お客様の横に立つという点は同じです。当社は施主の代行としてちゃんと監理されているかを技術者の目でチェックする重要な役割なんですね。実際PJMを希望されるお客様も多いですよ。
PJMでの我々の立ち位置は利害関係者をまとめる役割、といった感じでしょうね。
そうですね。海外企業とのプロジェクトでも、インテグレーター(統合させる人)という言葉で役割付がありますね。海外企業と日本企業の文化の違い等もあり調整は苦労もありますが、やりがいがありますよ。
私が大きく感じるのは、意匠、建築、設備に上下がなく、フラットに助け合ったり連携がとれたりする良さですね。特に現場で設備を担当してきた人は実感できると思うんですよ。
たしかに。今回は建築でやるから設備はいいよ、とかもありますからね。いろんな経歴の人がいながらも、癖のある人がいないのでやりやすいですよね。
そうだね。いろんなお客様の横に立つサービス業的な役割が強いので、対応の良さだったり技術力だったり人それぞれ違いはあるけれど、最終的にはお客様に好かれるような人が集まっているのは間違いないよね(笑)。
そうですね。あとは、ひとつひとつの経験が着実に次でも活かせるので成長実感がありますよね。はっきり言って最新型のマテハン機器なんてそう頻繁に出会えるようなものではないですから。物流施設に特化しているからこそ、経験を積むごとにエキスパートになっていき、多様に変化していく物流施設の最先端に常に携わっていられる。こんな環境はなかなかないと思いますね。