隣接する既存施設の運営を継続しながら
最新ピッキングシステムを導入した
先進的医薬品倉庫を建設
柔軟な計画を立案し、コスト低減を実現
プロジェクト概要
本プロジェクトは日立物流様のメディカル関連の事業拡大に伴い、既存事務所の隣地にGDPとBCPに対応した医薬品倉庫の拡大を目的とした増築計画です。また。同社の関連会社である日立製作所様が開発した小型・低床式無人搬入車「Racrew(ラックル)を活用した最新ピッキングシステムを導入し、省人化・省力化した次世代スマートロジスティクスを実装した施設となっています。
背景(お客様ニーズ)
同社が見込んでいた予算に建設コストが合わず、当社へトータルコストの低減について相談を受けたことがきっかけです。
同社は隣接する既存事務所と本施設を接続し、既存事務所の稼働を継続しながら工期厳守で実現可能なスケジュール計画と必要保管量を確保した使い勝手の良い最適な施設プラン策定、そしてトータルコストダウンを要望していました。
F&Pの提案
そこで当社は同社が策定していた増築計画のプランを改めて見直し、使い勝手や必要保管量を確保したまま、コストダウンと工期短縮を実現するため主に下記4項目を提案いたしました。
(1)現地調査を行った上で既存建物との隣棟間隔を適切な寸法に設定し、既存電源移設工事を不要としたプラン。
(2)構内道路各部分の必要幅員を洗い直した上で、計画建物のサイズ(縦横比)見直しを行い、既存危険物倉庫の解体を回避したプラン。
(3)上記の建物サイズ調整により床面積が若干減少したことに対し、棚導入後のレイアウトや導線を設定し、必要保管数を確保できる合理的な柱スパンを提案。
(4)構造的にも当初案より経済的な柱スパンとなり、コスト削減に寄与。隣接する既存棟と渡り廊下にて接続するために発生する既存遡及工事を、確認審査機関や消防機関と折衝しながら最小限にとどめた。
その結果として、設計・監理業務を受託し、コストダウンと工期短縮を実現しただけではなく、建設会社の尽力を得て高品質な物流センターを作ることが出来、お客さまより高い評価を得ました。
F&Pの機能
本施設はすでに稼働時期が決定しており、確認申請を含む設計期間5ヵ月、工事期間10ヵ月という限られた時間のなかで、全体スケジュールの策定が設計・監理受託時の喫緊の課題でした。そこで当社は、設計段階においてポイントとなるマイルストーンを整理し、それらの要求されるタスクを細分化しました。さらに綿密なスケジューリングと役割分担を明確化することでお客さまとの意思疎通をスピーディに行い、確実なタスク管理と計画推進により設計期間の短縮を実現しました。
また施工期間においては、設計や施工者選定、既存事務所の稼働への配慮も含めた施工スケジュール策定など総合的にプロジェクトのスケジュールを策定しなければいけませんでした。そこで当社が全体スケジュール管理について先導を取り、施工者への助言や提案などを行いました。また既存施設の稼働を継続するため運用車両と工事車両の導線にも細心の注意を払い、綿密な工程調整を繰り返し行いながらトータルマネジメントを行いました。その結果、稼働1ヵ月前に完成することができました。
設計・建設支援本部
設計部第1部 次長
渡辺 修
(役職:2018年10月現在)
これまでPJM等で長年お付き合いいただいていたお客様をはじめ関係者皆様のおかげで、既存施設の運営品質を維持しながら高品質な物流センターを完成することが出来ました。大変感謝いたします。
品質的にも医薬品倉庫として求められる条件をクリアしつつ、過剰になりすぎないようコストコントロールにも留意し適切な仕様をお客さまとの合意を図りながら決定していきました。日立物流様の関係者の方々や建設会社様に多大なご協力を頂き、お陰様で既存施設の運営品質を維持しながら高品質な物流センターを完成することができました。大変感謝いたします。