2016年2月 取材

鴻池運輸株式会社
経営革新推進部(大阪)課長
横山 武志
※役職は取材時のもの

長泉流通センター(イオングループ様向け)
ハードルの高いプロジェクトを完成

富士山麓の「ふじのくに総合特区」運用第1号案件。
静岡県や長泉町とも連携し、開発課題を次々解決。

F&Pに依頼した経緯は。

F&Pさんには、2011年に竣工した仙台における冷凍冷蔵倉庫の開発でコンサルティング業務を依頼した経緯もあり、今回も委託しました。本プロジェクトは、地権者との契約、農地転用の手続き、文化財の調査など、着工前から課題が山積していました。当社でも同規模の開発を手がけた経験がありましたが、今回ほどハードルの高いプロジェクトは初めてでした。今回の課題をクリアするには、建屋建設のみならず開発全般に渡ってサポートしていただく必要があったため、委託先としてはF&Pしか考えられませんでした。

提供したサポートについての感想聞かせてください。

とくに難しかったのが地権者との契約です。地権者は長泉町をはじめ、夫婦や兄弟などの共有者を含めた22名で構成されていました。その1軒1軒をF&Pさんと回って交渉しました。また、この施設は、静岡県が有する人・モノ・大地の多彩な場の力を最大限活用し、大規模災害などの有事への備えを確保する取組「ふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区(内陸のフロンティアを拓く取組)」の適用第1号案件だったので、建物の仕様にも苦慮しました。富士山麓のため、行政から景観条例に基づいた厳しい指導を受けて、外壁の分節化、植栽計画を実施しました。さらに、本センターは食品加工施設も併設しており、大量の水を使用・排水するため、排水先の河川の厳しい基準値をクリアするために非常に大型の排水施設を計画しました。町への給水管の増設依頼、下流域行政との調整など、日量400トンを想定して行いました。

今回のプロジェクトにおけるF&Pへの評価はいかがですか。

本プロジェクトには、埋蔵文化財発掘調査、測量・開発、建設などさまざまな分野の専門家が関わりました。そういった方々をF&Pの伊藤さんが中心となって采配しながら山積する課題を1つ1つ解決していきました。当時は、建設業界は人手や資材、重機などが不足していた影響で、建設コストが最も上がった時期でした。そういうなかで、よりシビアにコストと品質を追求する姿勢には、ゼネコンにはないF&Pの独自性を感じました。

From 担当者

常務執行役員
営業支援本部
本部長代行
伊藤 武彦
(役職:2020年7月現在)

受託した業務内容は、地権者との契約条件の取りまとめ、農業振興地域除外手続き、開発許可手続き、プロジェクトを進めるうえでの行政協議、埋蔵文化財発掘調査、開発関連の設計および諸手続き、建物基本計画、設計・工事監修などのトータルマネジメントです。当該プロジェクトは、各地権者の皆様、静岡県、長泉町様はもとより地元の関係者の皆様の多大なるご協力があってこそなしえたプロジェクト。関係者の皆様のご協力に感謝しております。